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2017.07.13

投稿者: 岩本卓三

集客が成功しているお店の戦略とは


 

つぶれるんじゃないの?

以前住んでいた街で、東京の郊外のとある駅近くに、こういうと失礼ですが見た目は何も特徴のない老舗の洋菓子屋さんがあります。味はすこぶるよいというわけではありませんが、普通に販売できるレベルです。1つのポーションも他店より大きめです。人気店では時間帯問わず常時客がいるのですが、そこのお店は誰一人いません。日中お店の前を通って店内を見ても店番も奥に引っ込んでいます。その街に住み始めた当初、経営は大丈夫かなと心配になっておりました。後日、側面しか見ていなかった自分に猛反省することになりました。


 

人気店でないのに客が集まっている!!

ある時、お店の前をたまたま通りかかると、何とお客様がひっきりなしに店内に出入りしていました。理由は何だと思いますか?閉店時間が23時なのです。事前に連絡を入れておけば、23時過ぎても対応してくれるのです。客層は女性男性問わず仕事帰りの人、夜がお仕事の人でした。時間は21時以降で、残業を終えたと思われる人たちが多かったです。お客様は夫婦共働き、あるいはシングルの人で、購入物は家族の誕生日向けと思います。東京みたいに人口の多いところでは、毎日数多くの人が誕生日を迎えます。だからケーキの需要は毎日あるはずです。しかし多くのお菓子屋さんが20時までには閉店してしまいます。だからといって、大切な人の誕生日にコンビニケーキという訳にはいかないのです。ここにコンビニでなくお菓子屋さんでケーキを購入したい需要があったのです。


 

勝因は消費者の困りごとを解決する戦略だった

専業主婦が多かった時代では夜遅くまで営業する必要はなかったと思いますが、時代が進み、夫婦共働きやシングルの親が増えたことにより、お菓子屋さんの夜の需要が大きくなったのです。働いている人は都心のオフィスから自宅まで帰るのに、20時の閉店では間に合わないのです。生ものは事前に購入しておくわけにもいかないので、商品の性質上当日購入しなければなりません。そこでその洋菓子屋さんは閉店時間を他店よりも遅くすることで他店との差別化を図り、お客様に選ばれる店作りをしているのです。記念日のプレゼントようにコンビニでは代用が利かない商品で、閉店時間に間に合わない人に焦点を絞った経営戦略、つまりお客様の困りごと(需要)を解決するサービスを提供した経営戦略です。


 

拡大戦略は?

ターゲットにした客層の目的の実現ができているからつぶれないお店なのです。残業終えて23時近くに一人寂しく歩いている途中に灯りのついた洋菓子屋さんが開店していたらそれだけで印象に残り、地域住民に対しての宣伝効果もあります。SNSがないころからの戦略です。SNS全盛期のいま23時まで買えるお店としてSNSで広まっているでしょう。この洋菓子屋さんはFacebook広告でエリアと年齢層を限定し広告をすれば、従来商圏外の2,3駅離れたエリアからも集客でき、売り上げを上げることは容易と思います。さらに都内にこのお店の商圏外に複数店舗展開すれば、ビジネスとしていまよりも成長できるでしょう。


 

まとめ

勝因は他店ではしていない深夜時間帯での営業のお菓子屋さんが、日中では購入できない状況にある消費者のニーズを的確に捉えた経営でした。もちろんお菓子の美味しさも普通レベル以上であることが前提ですが。大切なことはずっと前から深夜の需要が大きかったではなく、時代が進むにつれ共働きやシングル家庭が多くなり、お菓子屋さんの深夜帯の需要が大きくなったという社会構造の変化をとらえて経営に反映させたことです。時代をしっかり観察していたということにそのお店の経営者に脱帽です。事例のように深夜帯営業などお店のコンセプトが明確であれば、そのコンセプトに共鳴してくれるお客様が口コミで時間とともに増えていくのが自然ですし、広告を使えば集客が広がる時間を短縮することができます。集客をこれからはじめる方はコンセプトを明確にし、ターゲットとなりうる層に限定してコンセプトを周知する広告を実施しましょう。


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